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大人の歯は動かない?

子供の矯正を推奨している歯科医院で、「早く始めないと手遅れになる」と言われることがあるようです。

「手遅れ」とはどのような状態を指しているのかわかりませんが、色々とお話を伺ってみると、次の2点を意味しているようです。

  1. (1) 今やらないと、抜歯矯正になってしまう
  2. (2) 年を取ってからでは歯が動きにくいから、きれいな歯並びにならない

多くは、(1)のようです。

床矯正(拡大矯正)という、あごを広げる矯正治療を大きくアピールしている歯科医院でよく言われるようですが、「子供のうちにあごを広げれば、歯を抜かずに矯正ができる」と言って、お子さんの矯正治療をすすめるそうです。

こちらについては当サイトの「子供の矯正治療」と「矯正の抜歯・非抜歯」をお読みいただきたいのですが、全てのお子さんの不正咬合があごの拡大で解決できるわけではありませんし、乳歯列期に拡大矯正をおこなった方でも永久歯が生え揃ったら2期治療が必要になるケースもあります。

お子さんの歯が「手遅れになる」といわれたら心配になってしまうのは当然ですが、呼吸や咀嚼を阻害していたり、お子さん自身が強く希望しているのではない限り、すぐに矯正治療を始めなければならないということはありません。

逆に「手遅れになる」と言われたら、他の矯正歯科も受診して相談されることをおすすめします。

では、(2)についてはどうでしょうか。

年齢が若い方、特にあごの成長期の方のほうが歯が動きやすいのは本当です。
しかし、あごの成長が終わった大人や、もっと高齢の方の矯正治療期間が、若い方の治療期間より極端に長くなるということはありません。また、遅くから始めるときれいな歯並びにならないということもありません。

矯正治療は、歯やあごの骨がしっかりとしていれば、高齢の方であっても可能です。

最近では、お子さんと一緒に矯正治療を始めるお母さんも多いですし、お子さんが独立してご自分の時間が取れるようになった方が始められるケースも少なくありません。50代、60代で矯正治療を希望される方も珍しくはなくなっています。

きれいな歯並びになるかどうかは、患者様の年齢によるのではなく、矯正歯科医の技量によるところが大きいと思います。

治療前に検査をきちんとおこなったか、診断や治療方針は適切であったか、どのような仕上がりになるかという治療のゴールを明確に定めていたか、治療そのものがきちんとおこなわれていたか。当たり前のことですが、適切な治療を適切におこなえば、高齢であっても良い治療結果を得ることはできます。

「今すぐ始めないと手遅れになる」はもちろん、「始める時期が早ければ早い方が良い」「大人になってからだと抜歯矯正になる・きれいな歯並びにならない」など、年齢を理由に矯正治療を急がせるような歯科医院は、逆に要注意です。